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【茶事・茶会とは?】茶事の種類・特徴・違いと、流れを解説

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室町時代から発展しながら現代に受け継がれてきたのが日本の茶道。

茶道の魅力は、ただ単に抹茶を味わうだけことではありません。

茶道には、禅に由来する侘び寂びという日本人の美意識だったり、客人をおもてなしする心にも魅力が詰まっております。

茶の湯スタイル「茶まろ」
茶の湯スタイル「茶まろ」

ここでは、「茶事と茶会の違い」「茶事の種類・特徴」「茶会の種類・特徴」「茶事の流れ」

についてお話しします。

茶事と茶会の違いは?

茶事も茶会も、茶室に人が集って、共に飲食を楽しむ会である点では共通していますが、

茶事と茶会には違いがあります。

すなわち、

茶事はより本格的に茶道を実践する要素が強いのに対して、茶会にはよりカジュアルな雰囲気がある点に違いがあります。

ですから、

茶事は、ある程度茶道の修行を積んだ人同士で行われることが通常です。亭主は茶道経験のある親しい人を招きプライベートかつ少人数で行ったりします。

茶の湯スタイル「茶まろ」
茶の湯スタイル「茶まろ」

食事面においても、

茶事では炭点前、懐石料理、お茶菓子、濃茶、薄茶を順番に楽しむのに対して、

茶会ではお茶菓子に合わせて濃茶か薄茶だけを楽しむことが多いという違いがあります。

「茶事」の種類と特徴 茶事七式 三時の茶事

茶事においては「炭点前、懐石料理、お茶菓子、濃茶、薄茶」を順番に楽しみます。

客をもてなす時刻や季節・目的によって、いろいろな種類の茶事があるのですが、

主な茶事として『茶事七式』と呼ばれる7つの茶事があります。

  1. 暁(あかつき)の茶事
  2. 朝(あさ)茶事
  3. 正午(しょうご)の茶事
  4. 飯後(はんご)の茶事
  5. 夜咄(よばなし)の茶事
  6. 不時(ふじ)の茶事
  7. 跡見(あとみ)の茶事

上記の『茶事七式」の他にも、

  • 口切(くちきり)の茶事
  • 名残り(なごり)の茶事
  • 初釜(はつがま:稽古初め)
  • 除夜釜(じょやがま)
  • 一客一亭(いっきゃくいってい)の茶事
  • 立礼の茶事

など、茶事の季節や、茶事を行う目的に応じていろいろな種類の茶会があります。

こいチャン
こいチャン

ちなみに、上記の「②朝」「③正午」「⑤夜咄」の茶事は『三時の茶』と呼ばれています。

「茶会」の種類と特徴

茶会では、お茶菓子に合わせて薄茶を楽しむことが多いです。

「炭点前、懐石料理、お茶菓子、濃茶、薄茶」を楽しむ茶事と比較すると、催される内容は簡略化されていますが、

茶会によっては「点心」というお弁当が出されることもあります。

そして、

茶会の種類としては、

  • 多くの客が招かれる「大寄せ(おおよせ)の茶会」
  • 野外で行われる「野点(のだて)」
  • 展示会で行われる「(呈茶(ていちゃ)」

があります。

うすチャン
うすチャン

茶会の種類には、上記以外にもいろいろなバリュエーションがあり、亭主の趣向により様々な茶会が催されています。

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①暁(あかつき)の茶事、夜込(よごめ)

暁(あかつき)の茶事は、残灯(ざんとう)の茶事とも呼ばれています。

暁の茶事は、深夜から始まって、明け方の風情を楽しむ茶事なので夜込(よごめ)と呼ばれることもあります。

②朝茶事(あさちゃじ)

朝茶事は、夏の朝に行われる茶事です。

気温が高くなる前の涼しい時間帯に催されます。

③正午(しょうご)の茶事

正午の茶事は、茶事の基本形であり、一年を通して催される茶事です。

正午の茶事は、昼食を食する茶事なので、午前11時〜正午の時刻から始まることが多いでしょう。

正午の茶事では、懐石料理が出されますが、時期によって順番は異なります。

すなわち、「風炉の時期:5月〜11月頃」では、席入り後に懐石料理が出されますが、「炉の時期:11月〜4月頃」は寒いので火を起こしたあと(初炭)に懐石料理が出てきます。

④飯後(はんご)の茶事

飯後の茶事は、名前のとおりに、食事のすぐ後に客を招いて、次の食事にかからないように終わる茶事です。

飯後の茶事では懐石料理は提供されないために「菓子の茶事」とも呼ばれます。

飯後の茶事が始まる時刻は、午前9時頃か、午後1時頃となります。

⑤夜咄(よばなし)の茶事

夜咄の茶事は、夜の長い12月〜2月頃に催される茶事です。開催される時刻は遅くて、夕方5時頃から夜にかけて行われています(そのため夜会とも呼ばれます)。

夜咄の茶事は、寒い時期に行われるため「懐石料理」では暖かい食べ物が提供されています。

夜咄の茶事では、

手燭や座敷行灯・露路行灯などの古来からの照明具が用いられ、他の茶事とは異なる雰囲気を味わうことができます。

⑥不時(ふじ)の茶事

不時の茶事は、突然の来訪客をもてなすために行う茶事です。

「幸いなことに釜が掛かっているので、お茶一服どうぞ」とお客様に申し上げて始まる茶事です

⑦跡見(あとみ)の茶事

跡見の茶事とは「朝茶事」または「正午の茶事」を行った後に、引き続いて行う茶事です。

茶事に参加できなかった方のために、朝茶事・正午の茶事の趣向や道具をそのまま用いて開催されます。

口切(くちきり)の茶事

口切の茶事は、11月に開催されます。

11月となると宇治の茶園から新茶が届けられるので、新茶を詰めた茶壺を開封して葉茶を取り出し、そして茶葉を茶臼 で碾(ひ)いて粉末にします。

茶壺を開封する行事を口切(くちきり)の茶事と称します。

茶道においては、口切の茶事は、お茶のお正月とも呼ばれており、とても大切にされています。

名残(なごり)の茶事

名残りの茶事は、茶壺の茶葉が残り少なくなった頃(10月)に、古茶を用いて秋の名残を楽しむ茶事です。

一客一亭(いっきゃくいってい)の茶事

一客一亭の茶事は、亭主と客が1名対1名で実施される茶事です。


「一客一亭の茶事」は、亭主と客人は共に、茶道の熟達者である必要があります。

立礼(りゅうれい)の茶事

立礼(りゅうれい)の茶事は、机の上で行われる茶事です。

呈茶(ていちゃ)

呈茶は、陶磁器などの展示会やイベントに合わせて実施されるものであり、その際は茶菓子と薄茶が提供されることが通常です。

大寄せの茶会

大寄せの茶会は、一度に多くの客をもてなすこと可能です。

多い場合には、20名から40名ほどのお客様が茶室に入って、茶菓子と薄茶が振る舞われます。

野点

野点とは、屋外でお茶を点てる茶会です。

茶室とは異なる趣を楽しむことができます。日本庭園や公園で開催されることが多いでしょう。

茶事の流れ

茶事の流れについては、おいおい追記していきます。

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茶まろ
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茶道家(茶歴25年間)
茶の湯が大好きな茶道家です。 茶の湯を皆さんに楽しんでもらうためにサイト「茶の湯スタイル」を更新中です。
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